健康寿命は「抗酸化力」が決める
令和6年の新年を迎え、謹んで新春のお慶びを申し上げます。
当社は「智・情・意を駆使し、人々と地球の健康と繁栄に貢献する」という理念を掲げ、平成9年(1997年)2月に設立され、本年28年目を迎えます。事業内容を年々広げつつ、企業活動の年輪を重ねさせていただいておりますこと、これも皆様のお力添えのお陰と心より御礼申し上げます。
本年3月に当社の特別学術顧問であり、レドックス分析センターの指導監督医である山門實先生のご著書「健康寿命は『抗酸化力』が決める」が幻冬舎より出版される予定です。酸化ストレスと関係する20以上の疾患について、d-ROMs・BAPテストの学術データを引用し解説されています。今後、ますます広がるd-ROMs・BAPテストのユーザーの先生方、酸化ストレスを臨床研究に検討されている先生方は勿論のこと、健康に関心のある一般の方々にも是非ともお読みいただきたい内容です。「抗酸化力の強化」は、世界的な課題である平均寿命と健康寿命との10年のギャップを埋めるためにも、益々注目されることでしょう。
エピジェネティクスと食事・医療
抗酸化力を高めるには食事と運動が大切です。食の大切さを考える上で、地産地消や和食の重要性が注目されるようになって参りました。日本人に合う食品と欧米人に合う食品は、民族の食習慣で異なることは勿論です。これをエピジェネティックな観点から考えると、理解できます。エピジェネティクスは、遺伝子発現の制御や遺伝子の活性化・抑制に関わる過程を研究する学問です。食事や環境要因は、エピジェネティクスによって私達の遺伝子の発現を変化させます。
食事において日本の伝統的な和食が再評価されている今日ですが、日本の伝統的な医療は、一般的に存在しなかったと考えられていました。しかし、日本最古の書物とされる古事記、日本書紀には、その日本の伝統医療について記述されていました。治療の根本は自然治癒力を引き出すことにあり、具体的な方法としては「呼吸」「手当て」「言葉」という3つの技をもちいて治療が行われていたのです。
古代の日本民族が「呼吸」「手当て」「言葉」で病を癒していたという事実は、エピジェネティクスの観点から見ると、これらの技が日本人の治療法において不可欠であった可能性があります。古代の叡智が遺伝子の発現や身体の調和に影響を与える可能性があり、これは現代医療への新たな示唆と期待されます。
令和6年は酸化ストレスマーカーの一層の普及を
当社の科学ディレクターであるIORIO博士のご尽力を賜り、昨年9月にローマで開催された国際統合医療学会で、「腹式呼吸と酸化・抗酸化マーカーの関係」について発表させていただきました。その中で、20分間の腹式呼吸で酸化マーカーのd-ROMs値が減少し、抗酸化マーカーのBAP値においては10%以上上昇した事例を紹介しました。参加された先生方からは予想以上の好評をいただき、大学での講義依頼や共同研究のお誘いもいただきました。
本年も酸化ストレスマーカーの測定の普及と、そのソリューションの提供に社員一同、当社の社名に由来するWisdom智慧、Mercy情熱、Will意志力を発揮し、全力で邁進する所存ですので、引き続き、ご指導ご鞭撻の程、何卒よろしくお願い致します。
皆様のご健康、ご多幸、そして益々のご活躍・ご発展を心よりお祈り申し上げ、年頭のご挨拶とさせて頂きます。